2007.5.12
始めて「お旅まつり」を見に行きました。と言っても予備知識は「子供歌舞伎がある」「曳山は午後6時からが見所」くらい。夕方には帰宅したいのでクライマックスは無理でもとりあえず雰囲気だけ味わおうとお昼頃小松入りしました。まだ時間が早いせいか市役所の無料駐車場に止めれました。パンフレットを頂いてふむふむ。丁度12時から大文字町で「曳山子供歌舞伎上演」。行こう行こう!
お題は~加賀百万石物語~「辰巳用水後日誉」稲葉左近館之場
とざいとーざい、と言ったのかは?だけど、今始まったばかりみたい。浄瑠璃と三味線が良い!
←これより抜粋
あらすじ*辰巳用水が完成した。加賀藩三代藩主 前田利常公の命により稲葉左近が責任者となり小松の町人板屋兵四郎が請け負った用水工事は約一年で仕上がった。兵四郎の手並みは鮮やかでこの迅速な工事に藩内は沸き立っていた。しかし責任者の稲葉は気が重かった。辰巳用水は金沢城に安定的に水を供給することを目的とする軍事施設でもあったから、工事の請負人板屋は城の機密が漏洩しないように殺していまうのが兵法の常識。しかし稲葉は自分が見い出して工事をさせた板屋を殺してしまうことは、とても出来ずひとり悩んで床に就いていた。
門前の場
稲葉の同僚で工事検分役の村田但馬が訪ねてくる。村田は工事が終わったのですぐ兵四郎を捕縛しようとしたが、兵四郎は煙のように姿を消した。応対に出た稲葉の娘常盤に逃げてきていないかと訊ねるが常盤は何も知らない。そこへ稲葉家に仕える小梅が大きな葛籠を担いで現れる。藩の役人から辰巳用水関係のものが入っているから稲葉の家で預かるようにと命令されたのだった。兵四郎のありかをしつこく詮索する村田をやりすごして常盤と小梅は葛籠を奥の間に運ぶ。
奥座敷の場
その夜、稲葉家では葛籠を奥座敷に据えて、病の床から出てきた左近と常盤が用水完工を祝っている。常盤は兵四郎が姿を消し村田が懸命に捜索していること。自分は兵四郎と契って妊娠している事を告げる。そこに再度村田が訪ねてきて板屋の詮議のため葛籠の中身を改めたいと言い出す。その時兵四郎の母お蕗が駆けつけてくる。兵四郎が逃亡したと書かれた町の高札を見て、息子は逃げるような人間ではないと訴えにきた。しかし現に兵四郎はいなくなっており、卑怯にも逃亡したに相違いない、そんなことを言うのならすぐ連れてこい、とお蕗を難詰する。応えに窮したお蕗は命に掛けて息子の潔白を証明しようと短刀で自分の胸を突き自害を図る
その時、葛籠から短筒の玉が飛び出し村田に命中。村田は瀕死の重傷を負ってその場に倒れる。葛籠の中から出てきたのは兵四郎。母を自害に追い込んだ憎い村田にとどめを刺そうとすると、奥から声が掛かる。声の主は前田利常公。ひそかに稲葉邸に来ていたのだ。利家公に瀕死の村田は意外な事を訴える。自分が兵四郎を捕まえようとしたのは殺すためではない、生かして幕府に差し出し、徳川・前田両家の和平を図るためだと。
村田の言葉に耳を傾けていた利常公は、辰巳用水は民主目的に使う考えであることを口にし、兵四郎を駕篭に隠したのは自分の計らいであることを打ち明ける。続けて、兵四郎は殺さない。しかしこのまま加賀にとどまるのも何かと問題になろうから、磨いた技を民生に役立てるよう南方のルソン島に派遣する。板屋の家は常盤のおなかの子継がせると。この利常公のさばきを聞いて村田もお蕗も満足して息を引き取る
さらに利家公は宣言する。これからは徳川幕府との対決路線に別れを告げ、平和路線に転じて藩の政策を軍備増強から文化重視に転換すると。またいずれ小松城を改築して住み文化を楽しみたいとも。
常盤はようやく兵四郎と会えたと思ったら、すぐに悲しい別れが待っていた。ルソンへの船は明朝、金石の港を出る。利常公は金石までの道中を二人乗りの駕篭を用意して若い二人の愛に報いるのだった
~完~
素晴らしい!長い台詞も独特の口調も、どれだけ稽古を積んで来たんだろう。感動です。途中、常盤が(兵四郎を)「皆さん知らんかいなぁ?」と観衆に問う場面も可愛いらしく笑いを誘っていました。いいなぁ、町に文化財産があるって
でも、それを次の時代へと引き継いでいくのは簡単じゃないなって思います
見えない苦労や努力が伝わってきた気がしました。更に感激♪